働く女性に便利なブックガイド

　日本文学

舟を編む

変人扱いされていた主人公が辞書編集部に異動。言葉は様々な言葉とつながっていること知り、個性豊かな編集者たちと触れあうことで、彼の人生が新たに築かれていきます。

つばさものがたり

亡き父の夢だったケーキショップを開くために故郷に戻った主人公。開店するものの経営は苦しく、さらに家族には話していない重い病も抱えていました。それでも、家族と一緒に再起を目指します。

10ページ前後の小説22編が収められた短編集。高校生や独身30歳など様々な女性主人公を通した恋が、ぎゅっと詰まっています。読み終わった後、じーんと心に沁みて、ちょっと淋しさが残る一冊。さりげなく登場する料理の描写も魅力の一つです。

食堂かたつむり(ポプラ文庫)

著
ポプラ社／588円

同棲していた恋人が家財道具もみんな持ち去って姿を消します。恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失ってしまいます。山あいのふるさとに戻った倫子は、一日一組のお客様だけをもてなす、小さな食堂を始めます。あるエピソードで、食べることは「生きること」なのだと実感させられます。

担当編集者であり、恋人でもあった青司と激烈な別れの後、小説家・鈴木タマキは恋愛における抹殺をテーマに「淫」という小説を書こうとしていた。抹殺といっても本物の死ではない。無視、放置、逐電など、自分の都合で相手との関係を断ち、相手の心を「殺す」ことと規定した…
「OUT」から12年目の話題作です。